介護保険のリハビリと自費リハビリ

病院を退院後に行えるリハビリ

病院を退院後のリハビリには大きく分けて「介護保険を使ったリハビリ」と「自費で行うリハビリ」の2つの選択肢があります。

1.介護保険を使ったリハビリ

これは、国が定めた制度に基づいて利用できるリハビリサービスです。

費用・自己負担は原則1割(所得に応じて2~3割)
・介護度に応じて利用可能なサービスの上限が決まっている
受けられる種類・通所リハビリ(デイケア)
・訪問リハビリ
・介護老人保健施設(老健)
リハビリの内容と目的・日常生活の自立を支援し、身体機能の維持・向上、介護負担の軽減が主な目的
・目標設定はケアマネジャーが作成するケアプランに基づいて行われる

メリットとしては、

   * 費用負担が少ないため、経済的な心配が少ない。

   * ケアマネジャーが窓口となり、サービス調整を任せられる。

一方、デメリットとしては、

   * 利用回数や時間に制限がある。

   * リハビリの目的が、積極的な改善ではなく現状を維持する場合が多い。

   * 個別の細かいニーズへの対応が難しい場合がある。

2.自費(保険外)によるリハビリ

これは、介護保険の枠にとらわれずに、ご自身の意思で費用を全額負担して行うリハビリです。

費用全額自己負担
時間や回数に制限なく、自由にサービスを選べる
受けられる種類自費専門の施設
訪問リハビリ
リハビリの内容と目的個人の要望に応じた、質の高いオーダーメイドのリハビリ
「もっと動けるようになりたい」「趣味の〇〇をまた始めたい」といった、介護保険では対応が難しいような、より高い目標達成を目指せる。

 メリットとしては、

   * 利用回数や時間の制限がなく、オーダーメイドのリハビリが受けられる。

   * 専門性の高いスタッフによるリハビリが期待できる。

   * 介護保険のリハビリと併用できる。

一方、デメリットとしては、

   * 費用が全額自己負担のため、経済的な負担が大きい。

   * 事業所を選ぶ際には、情報収集や比較検討が必要。

   * サービス内容や効果は事業所によって差がある可能性がある。

目的に応じたリハビリを選択する

どちらのリハビリが良いというよりは、「今後、ご自身がどうなっていきたいか」という目標に向けて、介護保険のリハビリと自費リハビリをどう組み合わせていくか」が大切になります。

動作の改善には、リハビリの質が重要ですが、リハビリの量も大切になってきます。

 例えば、週1回の自費リハビリで動作の改善を図り、週1回の介護保険のリハビリで動作を定着させていくようなイメージです。

脳卒中後の改善とは、新しい脳の神経細胞を作ることではなく、新しい脳の通り道を発見していくことです。

もう少し具体的にすると、

脳卒中後の改善とは、今まで気がついていなかった身体の動きや感覚を発見することです。

今よりももっと楽な動き方

今までよりも効率的な動き方

自分の身体の新たな使い方を学習していくことで、生活動作が安全に楽に行えるようになることが、改善という実感を持てることにつながると思います。

時間をかけてゆっくり着実に改善していくことで、目標とする生活ができるようになるため、

焦らず、ご自身のペースで、そして何よりも「改善すること」を「続けていくこと」が大切です。

そのためにも、現在の身体状況や生活環境、そして「今後、どうなりたいか」というご自身の想いが1番大切になります。

そのためにも、まずは脳卒中専門のリハビリを受けてみて、違いを実感してみてください。

そのうえで、ご自身にとって何が1番大切なのかを考えて、今後のことを決めていけると良いかと思います。

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