専門性が必要とされるリハビリ
例えば、「右手の動きがぎこちない」という症状のリハビリを行う場合、
・骨にヒビが入っていて力が入れられない
・筋力が低下していて力が入りにくい
・痛くなりそうな気がして力を入れられない
・運動麻痺があることで力が入りにくい
など、「右手の動きがぎこちない」一つの症状に対して、様々な原因が考えられます。
【運動麻痺によって筋力を発揮できないこと】と【筋力低下によって筋力を発揮できないこと】は、
原因が異なるため、アプローチの仕方も異なります。
逆に、アプローチをかける原因が違えば、効果は見込めません。
原因まで分析したアプローチ
脳卒中後の【動かない】【感じない】という状態は、
あくまで症状であって、原因ではありません。
動かないから動かす、筋肉が硬いからほぐす、体重が乗らないから乗せる、といった
目にみえる症状だけにアプローチしても、一時的なもので問題の解決にはなっていません。
【なぜ動かないのか】【なぜ硬くなっているのか】【なぜ体重が乗せられないのか】
といった原因を突き止めて、1つずつ解決していくと
動作が改善してくるのです。

原因を突き止めるために
【動かない】【感じない】の原因を突き止めるためには、下記のようにさまざまな情報が必要になってきます。
・脳梗塞・脳出血の程度や脳の損傷部位
・運動障害の種類
・感覚障害の種類
・高次脳機能障害の種類
・病後の生活動作の影響による二次的障害
・年齢、性別、生活環境など
これらの情報をもとに専門的な検査・評価で分析しリハビリを行なっていきます。
感覚を通して行う運動学習
【身体の動きにくさ】などが生じている場合、
スムーズな動きを実現するための感覚は、ご病気をされる前の『過去の身体の感覚』では通用しない時があります。
そのため、ご病気をされた後の『現在の身体の感覚』を使って、
【効率的な動き方を学習】していく必要があります。
認知神経リハビリテーションは、イタリアで生まれたリハビリ理論の一つの方法です。
『どうすればもっと楽に動けるか』
『どうすれば上手く出来るようになるのか』
を一緒に考えて探し出し、実際の生活動作の中で実践できるようにしていきます。
自分の身体で見つけた『上手くいく感覚』は、忘れません。
1つずつ解決していくので、ゆっくり改善していきますが、
自分で身につけていくことができるため、効果は持続していきます。
高次脳機能障害へのアプローチ
「失語症」や「半側空間無視」以外にも、身体の動かしにくさに影響する高次脳機能障害があります。
「言葉だけ障害されている」ように見えても、
脳の中の様々なネットワークを介した結果として、【現在の症状】が見えているのです。
『どうすれば上手くいくのか』
『何を意識していると良いのか』
を一緒に考えて探し出していく過程は、
『脳の中のイメージ』と『実際に起きていること』のギャップを減らして
脳と身体の動き、言葉の使い方の整合性を高めていきます。
そして、リハビリをしていないときにも、
自分で考えて答えを見つけ、動作の改善ができるようになる
そういう状態を目指していきたいと思っています。
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